作家メッセージ_前出佳与_日本の手仕事展2022

2022年10月6日(木)から10月11日(火)まで開催される「日本の手仕事展2022」。

出展する作家の皆さんは14名です。
作家から皆さんへ、メッセージを週替わりでお届けします。

«2010年夏、私はガラスと出会った»
ふとした事から父が電気炉を入手し、見よう見まねで溶かしてみた青いおはじきの美しさに、私はガラスの虜になった。
それから始まった私のガラス作家人生は、未知との遭遇の連続で、自分の想い描くガラスを形にするべく研究と実験に没頭する日々を過ごすにつれ、私は益々ガラスの面白さや魅力に引き込まれていった。

私が取り組んでいるガラス技法は、世界最古のガラス技法「パート・ド・ヴェール」と呼ばれている。幾度となく継承が途絶え「幻の技法」とも云われてきた。
私の追求する「薄く緻密で繊細な、透明感のある鮮やかな色彩」で表現したガラス作品、特に私の代表作でもあるガラスの蝶は、他には無い緻密さで表現し好評を戴いている。
そのことを光栄に思うと共に、変幻自在でまだ多くの魅力を秘めたガラスと関われることに感謝している。
私のガラスへの想いは、とても400字では収まらない。
是非、実物をご覧いただき、時空を超えたガラスの浪漫の一端を感じて戴けたら幸いです。

ガラス作家
前出佳与
Kayo Maede