(12/10) 淡路三年ふぐとしぼりたてを楽しむ会<終了しました>
世界三大潮流のひとつである鳴門海峡で育てられた淡路の「三年ふぐ」。
流れの速い海にもまれながら三年という長い月日を経てゆっくりと育つ
ため、身が引き締まった絶品の誉れ高いふぐのひとつです。
身は味わうほどに上品な甘みと、旨みが口中にひろがります。
対照的に白子は濃厚な深みのある味わい。
ふぐ本来の味わいを大切に上品な味わいに仕上げられたお料理と
しぼりたての新酒をお楽しみいただきます。
〜お献立〜
先付 鉄皮湯引き かきのき茸 白菜 長芋あられ かきのもと 芽葱
造り ふぐ薄引き
揚物 ふぐ唐揚げ 万願寺青唐 赤唐
凌ぎ ふぐの握り
焼物 ふぐ酒幽庵焼き 白子塩焼き
主菜 てっちり鍋
食事 ふぐ雑炊
甘味 淡路のみかんシャーベット
*一部変更となる場合がございます
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■日時:平成26年12月10日(水) 18:30〜開宴
■料金:11,000円(料理・酒含む・税込)
■会場:神戸酒心館 さかばやし
★ご予約・お問合わせはTEL:078-841-2612(さかばやし)まで。
当会は40名様限定となりますので、ご予約はお早めにお願い致します。
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「ふぐを食べなきゃ、関西の冬は始まりません」
今や下関に追随するブランドになりつつある淡路島の三年ふぐ
寒の時期になると無性にふぐが食べたくなってきます。ふぐの水揚げは下関が有名ですが、こと消費に至っては関西。それも大阪府下でなんと6〜7割も消費しているというから関西人のふぐ好きは立派なものというしかありません。
そもそもふぐが食べ始められたのは明治になってから。朝鮮出兵の折に知識のない兵士がふぐを喰ってしまい、その毒にあたって死んだことから豊臣秀吉がそれを食べることを禁止し、以来、禁断の食べ物となっていました。それを明治期に入り、伊藤博文が下関の「春帆楼」で食べ、あまりの美味しさゆえに下関のみで食べることを許したのがきっかけです。関門海峡の潮流の激しさ云々がいわれますが、要は初めにふぐを喰うことが許された場所ということで今でもふぐのメッカになっているのです。福井県三方五湖の近くを旅すると、美味しいふぐに出合うことがあります。それはこの地がふぐの養殖で有名だから。福井で育てたふぐをいったん下関に持って行って水揚げし、下関ブランドとして出荷するのです。考えたら下関周辺にそんなに多くのふぐが住んでいるわけもなく、水産業者は下関の名欲しさにそのような流通経路を辿るわけです。言っておきますが、これは決して産地偽装ではありません。魚に関しては水揚げ場所の名がブランドとなり、それが重要視されているからです。
ところでこの下関ブランドに最近席捲しつつあるものをご存知でしょうか。それは淡路島で育てられている三年ふぐです。水産関係者に聞くと、長崎県と高知県にトラフグの親玉がいるらしく、そこで生まれたふぐを淡路島の福良に移して育てています。福良湾のすぐそばにはうず潮で有名な鳴門海峡があります。ここは関門海峡に勝るほどの潮流の激しさで、世界の三大潮流の一つに上げられるほど。そんな海で育つわけだから身が締まって旨くなるというのです。一般的には一年半から二年で出荷するところを、この三年ふぐはその名が示す通り、三年間育ててようやく市に出します。一年ほど余分に育てられているので大きさも二年ものの比ではなく、おまけに天然のイカナゴなどのエサを食べて育つために旨みがあって身の締まりのいいふぐになると言われています。ただ一般のものに比べ、一年以上出荷できないので、その間に死んでしまうものも出てくるため、業者にとってはリスクが高く、その分コストもアップしてしまうようです。サバフグやゴマフグに比べると、トラフグは健康状態が変わりやすく、養殖には向かないとされていました。エサの量もこまめに調整せねばならず、おまけにふぐ同士の噛み合いをなくすために人の手で歯を切ることもせねばなりません。つまりトラフグはデリケートで歩留まりの悪い魚なのです。それでも三年も養殖するのは、やはりトラフグが高級魚として扱われているのと、肉が弾力性に富んであっさりして旨いため。昨今は養殖技術とエサの革新などもあって少しは歩留まりのいい魚になったようです。
ところで「さかばやし」では、ふぐを食さなければ冬が来た気がしないという人のために月いっぱいは懐石コースの一部に三年ふぐを入れたりして提供することにしました。勿論、12月の「旬を堪能する会」(12月10日18:30〜)は、三年ふぐをテーマに献立を作っています。ぜひこの機会に下関ブランドに追随するという淡路島の三年ふぐを味わってください。(文/曽我和弘)